介護の工夫

公的介護保険制度A 〜公的介護保険のかかえる現状問題〜

前回公的介護保険制度の役割、対象者についてに引き続き、公的介護保険について書きたいと思います。

 

公的介護保険も問題がないというわけではありません。社会保険においてもっとも重要な問題というのはもちろんその制度の持続可能性のことを指します。持続可能性とはつまり何はともあれ「お金」のことに他なりません。

 

 公的介護保険のかかえる現状

 

つまるところは収入と支出のバランスこそが社会保険においては不可欠なものであり、問題が起こるとすれば、それは制度上の原因からくるものでもあり、また日本の人口バランスなどの構造上の原因に由来する問題でもあります。

 

ただそもそも少子高齢化という社会の中においては社会保険の形を採った公的介護保険制度は次善の策であり、今の「介護時代」においては他に方策はないかと思います。

 

現状では2015年における介護費用は10兆円をゆうに超え、これから加速する高齢化に併せますます増加していくものと予想されます。

 

それに対し収入はというと社会保険費用の国・地方公共団体の負担する部分は1000兆円を超える借金から賄われ、残りは被保険者の保険料から賄われているという非常に逼迫した状況です。

 

今後ますます加速する少子高齢化の影響をこの公的介護保険はもろに受けてしまうのです。

 

 直面する財政難とその解決法

さて、公的介護保険も健康保険制度や公的年金などと同じように財政的な問題があることはご紹介したとおりですが、具体的にはどういった問題があるのでしょうか。

 

日本の社会保険費用は年々増大しており、財源である税収は減少しているということは周知のことであり、それに伴い例えば消費税率の引き上げ等が決定しあとは時間の問題という状況はニュース等で日々ご覧になっているかと思います。

 

かくいう公的介護年金の財源の構成はおおまかに被保険者の保険料と国・地方公共団体の公費の折半となっています。被保険者の保険料は段階的に引き上げられ今後も更なる引き上げが予定されています。

 

労働世代ではない65歳以上の第1号被保険者はやはり財政の逼迫する公的年金から徴収される保険料の引き上げによる負担増はかなりの圧迫感となるでしょう。

 

また実際のサービスを利用する要介護者に至っても、現在は1割であった自己負担が2015年の法改正に伴い一定の所得者(年間所得160万円以上)は2割に引き上げられる改正がありました。

 

2015年の法改正によれば他にも
@ 要支援者が通所・訪問介護の対象から外されたこと
A 特別養護老人ホームへの入所が要介護3以上に制限化されたこと
B 高額介護サービス費の上限引き下げ
C 施設の食費・部屋代の補助の認定厳格化(従前は所得に応じての認定が、預貯金も考慮に入るようになった)

 

など介護サービスの利用者にとっても厳しい改正となりました。

 

増加し続ける介護費用に対応するための改正であることは明白ですが、これに加えさらに加速する少子高齢化と介護時代を控え、今後はさらなる保険料負担増や資力の有無にかかわらず自己負担額の増加が見込まれています。

 

公費とはいっても我々の税金が財源となっているため少子高齢化が進めば税収減にともない、さらに逼迫した状況になることは予想に難くありません。

 

つまり収入に関しては頭打ちになりつつある状況といっても過言ではないのです。これが現在の介護保険の財政の現状といえます。

 

収入が伸びないのであれば支出=介護費用を減らしていく必要があるのです。これは国による検討はもちろんのこと都道府県や市町村ひいてはひとりひとりの個人レベルでも考えていく必要がある問題だと思います。

 

最後に

早急に現状を打破する対策を練る必要があることとは思いますが、この問題はもちろん「介護保険」に限ったことではなく、社会保険全体のひいては日本国全体の数多の問題とリンクしている問題であると思います。

 

ただ「介護」に限って言えば、一人ひとりの意識と努力で公的介護保険制度を存続させ、より良いものにしていくことができると思います。その方策については別記事にて述べます。

 

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