介護の工夫

諸外国における「介護」の実情

日本においては2000年より公的介護保険制度が創設され、幾たびもの改正を経ていますが現在もそして今後予想されうる「介護」時代においても、わが国の高齢者福祉の要となる制度です。

 

この公的介護保険制度ですが、実は世界ひろしと言えども単体の法制度としての公的介護保険を施いているのは日本の他にはドイツと韓国しかありません。

 

社会保険という制度に則って、社会全体で「介護」を支える仕組みというのは実は世界でもいまだ類を見ない試みであると言えます。そんな世界に誇りうる公的介護保険制度ですが、他の国においては「介護」の現状はおづなっているのでしょうか。

 

アメリカにおける「介護」

自由と自己責任の国アメリカにおいては実は健康保険制度ですら皆保険ではありません。

 

つまり任意加入であるため加入できる人とできない人の間で医療の格差が存在します。「介護」はどうかというとアメリカにおいては公的な介護政策というものはほとんど存在せず、その対応は専ら民間に委ねられています。

 

これはアメリカの国民性である自由と自己責任、つまり政府からの干渉は受けず、家族介護と自己負担での自助努力で乗り切るという精神に基づいているからです。

 

当然介護サービスを利用できない人も多数いることや、伝統的に「介護は女性がするもの」という考えによる女性の負担増、規制の不十分さからくる介護事故などアメリカにおいても介護の課題は山積しています。

 

 ドイツにおける「介護」

「介護」先進国であるドイツでは1994年から公的介護制度が施行されました。日本はドイツの公的介護保険制度をモデルとしており、ドイツは「介護」に限らず歴史的に社会保険先進国でもあります。ドイツの公的介護保険制度は日本のものとは異なり、年齢制限なく強制加入となっています。

 

というのもドイツにおいては日本よりも早い段階から少子高齢化と介護職不足という二重苦に悩まされているという現状がありました。ドイツの公的介護保険制度導入を経て、連鎖的に日本でも介護保険制度を導入しましたが、ひとえに介護保険制度といってもいくつかの相違点はあります。

 

ドイツの公的介護保険制度の主な日本のものと異なる点として

 

@財源は全額被保険者の保険料で構成
A被保険者に年齢制限なし(皆保険)
B日本でいう要支援という概念がない(中・重度のみが対象)
C現金支給と現物支給の併用

 

取り上げて述べるべき主な特徴は被保険者の年齢制限がない点と、現金支給があるという点であると思います。

 

年齢制限なしということは保険料を支払う子どもから老人までみな等しく介護保険の給付を受けることができるというのはある意味社会保険のあるべき姿ではないでしょうか。また現金支給もあるというのはサービスの選択の幅が広がります。

 

理想を言えばドイツの公的介護保険の方がより充実した制度であると考えますが、ただ日本の制度も実情というものがあります。わが国においても議論や改正を重ね、現状に合わせたより良い制度になっていってほしいものです。

 

韓国における「介護」

お隣の韓国においてはわが国日本の公的介護保険制度にならい、2007年に公的介護保険制度が施行となりました。実は韓国はここ5年間においては出生率は世界最下位レベル、高齢化率は世界トップレベルという「超」少子高齢化が進んでいます。

 

そのペースは30年ほどで日本を追い越す勢いといわれています。したがって高齢化とともに浮上する「介護」の問題も今後当然のように深刻化していくものと思われ、韓国はそれを見越した素早い対応の制度発足をしています。端的にその特徴を述べると

 

@保険料支払い義務は全国民
A制度対象は65歳以上の老人
B現金支給あり

 

となっております。韓国の公的介護保険制度は日本とドイツの良い点を踏襲していますが、やはりここで取り上げて述べるべき特徴的な点は現金支給があるという点でしょうか。

 

現金支給の問題点

上記のとおり、日独韓においては日本の公的介護保険のみが現金支給がありません。現物支給のみにしたことについては、メリットもデメリットもあり一概には制度の遅れを露呈するものではありません。現金支給はもちろん「介護」の幅が広がると同時に、不正受給や本人のために使われないということがあります。

 

ただ現状現物サービスのみの公的介護保険もその介護職不足とそれに伴うサービスの質の低下により岐路に立たされているといえるでしょう。現金支給という選択肢も今後の公的介護保険に導入さえていくべき改善点であると考えます。

 

 

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